羽根は燃え続け、全てを燈す赤と成す。
49.焔の羽根
分からない。
今の状況が分からない。
どうしてここにいるのか、
ここはどういうところなのか、
自分は一体何をされているのか、
分からない。
だけれどこれだけは分かる。ここは暗い。
自分が燈らないと暗いまま。電光や灯火はないのだろうか。
ここはいつも黒雲に包まれている地域。
ずっと天気が悪いというわけではない。他の大陸ではいつも天候に恵まれているのだ。
しかしこの大陸だけがいつも雲に覆われている。
ここはブラッカイア大陸。
光が苦手である一族が支配している大陸。
そのため大陸上に雲を張り太陽から逃れているのだ。
太陽のない大陸だから寒い。
その中に、彼はいた。
「……………」
只でさえ寒い大陸にいるのに、この場はもっと寒い。ヒヤリとしている。
上半身を丸裸にされている体。ツンと冷たい空気が触れ、それから逃れようと焔を燈す。
体を紅くして自分を燈し暖める者。
こうしないと生きていけない。
何とも冷たい情景である。
それならばここから逃げればいいではないか。ずっとその場に留まらず太陽のある大空まで羽ばたけばいいではないか。
いつものように、去年までのように大空を羽ばたいてもっと体を燃やせばよいではないか。
しかしそれはできなかった。
まず彼が壁と一体化しているのに問題がある。
壁を這うツタのように無数の鎖が張ってある。それに腕や胸が埋め込まれ身動きが取れない。
焔を出してみても鎖は強みを増す一方。
ここは魔術師が住んでいる屋敷だ。自分の好きなようにはならない。
去年からずっとこの状態だ。
黒づくめの奴らに攫われた彼は鎖に縛り上げられ自由を奪われた。
自分には元から自由は無かったのに、これで完全に自由は燃焼してしまった。
自由なんてものがあったら今頃自分は、あの人とずっと一緒に……。
「生きてるかいっ?」
朦朧としている意識の中でポツっと声が漏れる。
彼の声ではなく、前方にいる誰かが声を漏らしたようだ。しかし誰なのかはわからない。
なぜならここが暗いから。
そして声をかけた者も闇の黒さだから。
下りかけていたまぶたを上に上げ目を完全に開かせる。
垂れていた頭も上げて、正面をうかがう。
しかし相手は闇と化している。だから見えない。
そのため彼は自分の体を燃やして光を出してみた。
すると見ることが出来た。
相手は黒づくめの女性だった。
「……………」
「おほほっ。生きてたわね。もう動かないかと思ったわよぉ?」
女性は彼より背が高かった。いや、普通の男よりも背が高い。
スリムな体をしている女性、長くツヤのある黒髪がシルクハットの下から垂れており、後ろ髪は一つに束ねポニーテールにまとめている。
彼の体が燈っているため場が紅くなっているが女性の姿は赤くはならなかった。
闇色を通している。しかしその中でも紅いものはあった。
それはバラ色の唇と爪。
その唇がくくっとつりあがった。
「何マジマジと私を観察してるのよぉ?そんなに珍しい姿だった?」
「…」
「私から見たらあんたの方が珍しい者だけどね」
そして女性は、縛り上げられている彼に向かって
「珍鳥のフェニックスさんっ」
と呼んだ。
少しばかり間があってやがて彼が口を開いた。
「………一体、何の用ですか…?」
久々に口腔を開いたのか、その声は枯れていた。
喉の調子を整えて、フェニックスの彼は綺麗な声で続ける。
「あなたは誰ですか?」
「私?」
訊ねられたので女性は答えた。
バラ色の唇を横に伸ばして、両端から白い牙をむき出して。
「私は吸血鬼よっ」
「…今度は吸血鬼さんの登場ですか…」
「ん?『今度は』ってどういう意味よっ」
大抵の者は『吸血鬼』の名を聞いて目を見開いたりとそれなりに驚きを見せる。
しかし彼はそんなそぶりを見せなかった。
むしろ、大きくため息をついている。
その行動が気に喰わなかったのか、吸血鬼こと『B』は眉を一層高く吊り上げる。
「はっきりと答えなさい」
何かと偉そうに命令口調を繰り出す『B』の姿は彼にとっては懐かしいものを思い出させた。
そう、自分が恋した彼女。彼女は常に偉そうに仁王立ちをして王である彼にも命令していた。
最初は変な人だなっと思ったけど人のことを常に大切に思い行動一つ一つに気持ちが篭っている彼女。気づけば好きになっていた。
思わずふふっと笑ってしまった。
それから急いで声を流す。
「さっきもあなたのように面白い名前の人が訪れたんですよ」
「へぇ。それは誰よぉ?」
「驚かないでくださいね」
まともに食事もとっていないのか、やつれた顔をしている彼。
しかし表情は笑っていた。『B』と『彼女』の性格が少し似ていて彼なり面白かったのだ。
彼は、『B』が現れる前にやってきた人物の名を告げた。
「死神さん」
「………はっ?」
『B』にとっても驚くべき人物だったのか、惚けた声を出していた。
フェニックスの彼は体を燃やしながらも言葉を続ける。
「先ほど何しに訪れたのか俺の前に現れたんですよ。だけどプリンを自慢して帰ってしまいました」
「…はぁ、何バカしてんのよあいつは」
知り合いなのか『B』は『死神』に対して大きくため息をついた。
それから気を取り直して今度は『B』がフェニックスに訊ねる。
「あんた、名前は?」
「俺ですか?」
「あんたしかいないでしょ?あんたもバカ?」
「あ、すみません、相手は俺だけですよね」
笑った反動で体に絡まっている鎖が揺れ重い音を鈍らせる。
音が鳴ったのを気にして『B』がふっと鎖に息を吹きかけて音を消す。
音が消えたのでまさか魔法を使ったのだろうかと気になったが、フェニックスはそれよりも『B』の質問にきちんと答えた。
「俺はポメです」
「…ポメ?何よぉ面白い名前ね」
「そんな、ひどいですよ!」
名前をバカにされてフェニックスのポメが声を抑えつつ叫んだ。
しかし『B』は軽く流して、ポメの名前を呼ぶ。
「ポメ」
「はい」
「焔をちょっと借りるわよぉ」
そういってすぐに『B』はポメの紅く燈った体に向けて一息吹きかけた。
するとポメの体を紅く燈していた焔の一部がふわりと群れを離れたのだ。
『B』の息に乗っかって焔は宙を舞う。
「私に出来る魔術といったらこれぐらいしかないわっ」
自分でモノを出すことが出来ない。
だからイチゴミルクも出せない。
魔力が全くない『B』だけれど『L』に魔術を教わってこの魔術だけは使えるようになった。
それは浮遊術。
モノを浮かすことが出来るのだ。
やがて宙に浮かんでいた焔は灯火となり、少し離れた場の壁に埋め込まれているロウソクに光を与えた。
一つのロウソクの火。それは大きな光となり部屋全体を明るくする。
そのためポメが体を燃やさなくとも場が明るくなった。
「……」
「よし、これで場が確実に明るくなったわよぉ」
今まで一度も光を燈さなかったこの場があんな些細なことで明るくなるとは驚きだ。
『B』はポメの心を悟った。
「今までにあんたの元へ訪れた者ってのが闇の奴らだったのねぇ。だから光を燈さなかったのか」
「え?」
「まぁ、私がいるうちは光を浴びさせてあげるわよ。だから自分の体を燃やすのはやめなさい」
監禁されたフェニックスの見張りに立つ者がいつもならこの時間帯にくるのだが、今回は『B』が訪れた。
しかし『B』の台詞から分かるように、暫くしたらまたいつもの奴がこの場にやってくるようだ。
ポメにとって見てもはじめての正常人、心から安堵した。
「ありがとうございます」
「お礼はいらないわよっ。………というわけで、あんたもコソコソ隠れるのはもうやめなさいっ」
礼を述べるポメをまた軽く流して『B』はチラッと後方に目を移した。
しかし暫くの間は何も反応がない。
誰かいるのかとじっと凝視していたポメだったが一方に現れないので一度瞬きをして視界を閉ざした。
そしてまた風景を映し出すと
驚いた。先ほどまでは何もいなかったその場に、『B』と同じような黒づくめの者が始めからその場にいたように自然と立っていたのだ。
肩に大きな鎌を担いだシルクハットに黒マントの男。
その者をポメは一度見たことがあった。
「死神さん」
すると死神と呼ばれた黒づくめの男が答えた。
「隠れていたつもりはなかったんだけどな」
大きな鎌を担ぎなおして死神は『B』と並んだ。
すると『B』は突然そんな男の頭を打った。
「あんたはどこまで存在感がないのよっ」
「うむ。自分でも驚いた」
パコンとこの上ないほど軽い音が響いた。
冷静に言葉を放った死神であったがあの『B』に頭を叩かれたのだ。痛かったようで、頭を垂らして痛みを堪えている。
「ったく!何であんたがいるのよっ!普段あんたはこの『城』に戻ってこないじゃないの」
「今日は微風がここまで運んでくれたんだ」
「あんたと話してるとこっちまでパーになっちゃうわよっ!」
「ふふふ。Bちゃんは面白い」
背の高い二人があれこれと言葉を交わす。
ポメはそんな二人を遠くから眺めていた。
やがて落着したようで二人はこちらにやっと顔を向けた。
「火の鳥か。誰が彼を捕まえようと命じたんだい?」
「Rでしょぉ?…ったくあいつは一体何を考えているのかしらねっ」
「あ、あの…」
二人が顔を向けたところでポメは今まで気にしていたことを尋ねた。
「俺の里…鳥族の里であるキズナの村は無事ですか?」
すると二人が同音で答えた。
「「知らない」」
「………」
せっかく暖まった部屋に再び冷たい感触が戻ってきた。
期待していたのに二人は何も知らないようだ。そしたら何しにこの人たちは自分の元に訪れたのだ。
思わず惚けた顔になっていたポメ、彼に向けて『B』が言う。
「私はあまり世界について知らないのよぉ。私たちの仲間のLなら頭いいし何でも知っているから彼に聞いたらどうかしらねぇ」
「Lさん…ですか?」
「だけどイナゴは女の子の写真集を眺めるのに忙しいようだ」
「余計なことを言わないのっ」
「だけど事実だ」
「そ、それと…」
二人の間に何とか割り込んで、ポメは続けて質問する。
「あなたたちは何者ですか?」
するとその質問に対しては二人はきちんと答えた。
「「闇」」
「え?」
「闇の者よっ。闇の者だからあんたの周りに結界張ったりと魔術が使えるの。…まあ私は魔力がないんだけどねっ」
「自分は使わない」
「そ、そうなんですか…」
相手の正体を知り、しかし上手く理解が出来なくて疑問が残ったままだった。
闇の者って何?
しかしそれにつまづいたままではせっかくのチャンスを逃してしまう。
今、正常人に会っているのだ。今のうちに情報を得なくては。
自分は一体何をされているのか。どうして捕まってしまっているのか。
ここはどこなのか。誰が自分を縛り付けるような鎖と結界を張ったのか。
彼女は…ブチョウは無事なのか。
小さな頭には幾多の疑問。それを少しずつでもいいから解消したい。
だからまた尋ねようと口を開こうとした。
しかし妨げられた。
自分のお腹の音に。
「「…………」」
しかも豪快に鳴ってしまった。恥ずかしい。
恥を隠すために俯くポメであったが、死神が気遣ってくれた。
「お腹がすいたのか。それならこのプリンをあげよう」
その行動に驚いたのはポメではなく『B』であった。
「あんたがプリンを他人にあげるのぉ?!珍しいわねぇ!」
「困っている人を放っておけないからな」
ポメが瞬きをした直後、何も持っていなかったはずの死神の手の上には小皿に盛られた黄色い食べ物プリンがあった。
スプーンでプリンを揺らしプルプルと動かす。この感触がたまらないと死神は言う。
それから愛しそうにプリンを眺めてから死神はプリンにスプーンを通し、一部を取り除いた。
「あーんして」
「…ええ?」
「ほら、あーんしないとあげないよ」
「え、あ、はい」
プリンの山が乗ったスプーンを向けられポメは口を恐る恐る開けた。
すると死神は正直なポメに満足したのか、笑みを溢してスプーンをその口に入れようと近づけていった。
しかし、『B』の声が割り込んできた。
「死神っ。もう逃げた方がいいわよ」
「…ん?」
「他の闇が来るわっ」
そう告げた直後、部屋を燈していたロウソクの火が沈んだ。
場が闇になったので急いで『B』がマントを頭から覆い、闇に溶ける。
ポメは『B』が消えたのに驚いて瞬きをする。すると死神も知らぬ間に消えていた。
闇の二人が消え、完全なる闇の中に残されたフェニックス。
プリンが食べれなかったという微妙なショックと、突然の闇の訪れに悲しみの瞳を浮かべる。
何、何?
今から何が起こるの?
まさか見張り番がやってきたの?
無論。
「ぎゃっしゃっしゃっしゃっしゃ!」
闇の中を貫いてきた笑い声。
それにポメは身震いを感じた。
いつも聞く笑い声だ。
見張りが来たんだ。
だから二人は消えたんだ。
この場には本当ならば誰も近づいたら行けないようだから、気づかれる前に消えたんだ。
笑い声はいつの間にか自分の前で響いていた。
「ぎゃっしゃっしゃっしゃ!今日も俺様を燃やしてよー」
突如闇の中から現れた手は、ポメの周りに張ってある結界にぶつかって大きく弾く。
それを楽しむ闇の者。
「たまらない!これがたまらない!もっともっと俺様を甚振って!」
「…!」
「ほら!キミもいつものように焔を飛ばしてよ!俺様は燃えたいんだ!早く早く!」
「ヒッヒッヒ!何言ってんだよ!『M』の相手は俺様だよ」
グサッと刺さる音がした。
刹那、『M』と呼ばれた者の悲鳴が聞こえる。しかしそれは先ほどのように楽しそうであった。
いつもある光景だけれど目を伏せるほどの痛々しいもの。
しかし二人して楽しそうに過ごしている。
嫌な音が暫く響く。
やがて場が静まり、ポメはそっと目を開けた。
すると体中が刃物だらけの『M』と、手にたくさんの武器を持っている『S』の姿がそこにはあった。
『M』と『S』、二人は同じ顔であった。黒ローブのフードを被った二人。
違うところといえば、性別。『M』は男であり『S』は女のようだ。そのため『S』の方が髪が長い。
そしてもう一つ違うところといえば、『M』はマゾヒストであり『S』はサディストであること。
お互い気がすむまで刺し刺されあっていたようで満足そうにしている。
ポメはそんな不気味な二人に怯えきった目を向けた。
「今日も見張りですか?」
先ほどまでは心も温まっていたのに、もう冷たくなってしまった。寒い。
もう一年間、二人の姿を見てきた。もう見たくない。お互いにやりあっている奴らだ。怖いから見たくない。
今日もこの二人を見なければならないのかと苦い表情を作っていると、『S』が答えてくれた。
「今日は俺様たちの他にお客がいる」
「え?」
「『H』、こいつが例のフェニックスだよ」
『S』が相手の名を呼ぶとその場の闇の上にまた別の闇が乗っかった。
それは重い。重い闇が姿を現さずに声だけを流す。
それはそれは美しい声を。
「んふ。これがフェニックス。可愛いわね」
歌っているかのように軽やかで麗しい声を聞いてビクッと大きく体が跳ねた。
この声を非常によく知っているからだ。
思わず叫んだ。
「ブチョウさん?!」
しかし相手は違った。
「んふ、残念。もうその人の声じゃないのよ」
闇から現れたのはブチョウではなかった。唇の分厚いオカマ。
目の前の状況にポメは言葉を失った。
どういうことだ。
声は紛れもなくブチョウのものだ。
しかし現に違う。ブチョウの声はオカマのものになっているのだ。
どういうことなのだ。
「んふ、それじゃあ簡単に説明しちゃうわよ」
オカマはポメの心の声を悟ったらしく、そう言葉を持ってきた。
小指を唇に当て、楽しそうに物語る。
「あなたを攫うときにね、アタシは泣いている白ハトさんと出会ったの。実は以前から彼女の声を気に入っていてね、アタシは力になりたかった。だから白ハトさんの力になってあげたの、白ハトさんの願いを叶えてあげたの」
「え?」
白ハトのことをブチョウだと分かり、だけれどブチョウが泣いている理由、願いの意味、それらがわからなかった。
それもオカマは悟り、答える。
「白ハトさんは王様であるあなたのことが好きだったのよ」
「…………え……」
「だけど身分の壁を越えることが出来なかった。だから泣いていたわ」
「………ブチョウさんが…」
信じられなかった。
まさかブチョウが自分のことが好きだなんて。
それからまたポメは胸を締め付けられる。
「それで、彼女はこう願っていたわ。『自由になりたい。束縛のない自由がほしい』ってね」
「自由…」
「そう。だからアタシはね叶えてあげたの。自由を与えた…いや、与えてないんだけど与えたことにしたわ」
「えっ」
「アタシは彼女と売買したの。だからアタシも彼女から声をもらったわ」
だからブチョウの声が今ここにあるわけだ。
しかし待てよ。気になる言葉があった。
「あなたはブチョウさんに自由を与えたんですか?」
するとオカマは即答。
「そんなもの、どんな天才でも与えることが出来ないわよ」
「…!」
「自由なんてものは自分で見つけないと手に入れることが出来ないわ。他人の力を借りて得る自由なんて世の中にはない」
「そしたらあなたは…」
ブチョウに自由を売らずに、声を買ったのか。
オカマは笑った。んふ、と笑ってポメとブチョウをバカにした。
全てを知りポメの中には怒りが燃え盛った。
何ということだ。
ブチョウは自分と同じ気持ちだったのに、返事を返すことが出来なかったのだ。
これも自由がないために起こった悲惨。
あのブチョウが泣いたのだ。泣いて自由をほしがった。
そんなときにオカマが現れた。
ブチョウに「自由をあげる」とウソをついてオカマはブチョウのものである『声』とあるはずのない『自由』を売買した。
そういうことでオカマはブチョウの声を奪った。
そして次なる展開も悟ることが出来た。
ブチョウは声を失ったが自由を手に入れたと勘違いしている。
だから自分の元へきっとやって来たに違いない。
だけれど自分は黒づくめの奴らに攫われてしまって、村にはいなかった。
きっとブチョウは、泣いただろう。
声も失ってポメも失ったのだ。
悲しかっただろう。
「…………ひどすぎる…」
非常にムカついた。
目の前にいるこのオカマの存在が苛立った。
鳥人にとっては声は命の次に大切なものなのに、こいつはブチョウの声を奪った。
無意識だった。
いや、意識があっても同じ行動をしていただろう。
ポメはオカマに向けて焔を放った。
しかしオカマの前に『M』が割り込んできて奴が焔を浴びた。
再度オカマに向けて焔を放とうとしたとき、奴はもういなかった。
闇に紛れて消えてしまっていた。
「……ブチョウさん………」
気づけばこの場には誰も居なかった。
ポメは1人、鎖に縛り付けられたまま、ブチョウへ向けて癒しの涙を溢した。
しかしそれは届くことはなかった。
闇に雫は吸い込まれる。
焔もやがては消え失せる。
フェニックスはエキセントリック一族の住処にて自由を失う。
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やっときました!本物のフェニックスの登場です!
だけどかわいそうなことに彼も彼で自由を奪われてしまってました。
そして某山吹のとこで連載中であるSOAやらその他もろもろに最多出場している死神もついに登場です!
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