闇に浮かぶ朧な橙は、必ずや平和を繋ぐ鍵になる。
68.光を思ふ
淡い光を燈すランプが幾つもの闇を照らす。
しかし、ランプの光を頼らずとも、奴らの存在は見えていた。
赤い瞳が闇の居場所を告げ、囚われの身の二人を闇の縄で縛った。
「お前らはエキセンに不名誉なことをしたでアール」
エキセントリック城のとある部屋に集まった闇たちは、罪を犯した『L』と『B』を囲んで目を吊り上げる。
影を操るのが上手い『R』が闇の縄を作り二人の自由を捕らえる。
じりじりに二人を追い詰めるが、『L』も『B』も口を開かない。
そもそも『B』の場合は精気不足で生と死を彷徨っているのだが。
『L』はそんな『B』のことが心配ということもあって『R』の声を聞こうともしない。
そのことを分かっていながらも『R』は問いかけた。
「何故、不名誉なことをしたでアール?」
「…」
「エキセンは闇だということを自覚してるでアールか?」
「……」
「答えろよこの野郎!」
無言で返す二人に対して怒るのは『Q』だった。
『R』をすり抜けて『Q』は勢いに乗って『L』の首を掴んだ。
咽喉を押されて呼吸が途切れる。
「…っ!」
「おいこら。お前、俺らをなめてんのか?」
このままでは咽喉を潰しかねない。
危険を悟って『R』が闇の縄を解こうとするが、その前に背後から『H』に止められた。
「んふ。Lがこのまま大人しく死んでくれれば四天王の枠が開くわ」
エキセンにとっては四天王と言う枠は高い地位に見られるもの。
だけれど四天王だからと言って何か特殊な力を与えられるとか、そういうものはないようである。
ただ、ランクが一番上だということが己の名誉を称えることがなるから。ただそれだけのために闇たちは己を強くしていく。
『H』が四天王の空いた枠に自分が入りたいと言う一方で、『Q』が鼻で笑って見逃した。
「ざけんなこの野郎。俺は四天王とかそんなめんどくせえことには興味ねえよ」
そして、ここでLを殺したらHに好かれてしまうかもしれない…と悪寒が走る背中に怯え、『Q』は『L』の咽喉を掴むのをやめた。
よって『L』が力なく上半身を垂らし地面に額をつける。
力のない『L』の姿を見て、『B』がようやく口を開いた。
息切れの激しい言葉遣いで。
「イナゴは…、なぁんにも……関係ないわよ……」
微かに揺れる艶やかな髪。『B』が首をゆっくり振って『L』を助けようと言葉を続ける。
「精気をあんたらから盗ったのは自分の意思だから……イナゴに命令されたとかじゃないわ…」
エキセンがギラギラに赤い瞳を輝かせている理由、それは『B』がエキセン全員の精気を奪ったから。
少し吸っただけであるが、エキセンは怒りを募らせそれを目を光らせると言う形で表す。
『R』が首筋を押さえて牙の痛みを思い出す。
「Lが命令したわけではないとすれば、何故ワガハイたち全員から精気を奪ったでアール?」
「……」
「突然吸われたから理解できないでアール」
『B』がエキセンから精気を吸ったのには意味がある。
クモマの心臓に足りない精気を注ぐため。
だけれど真実を伝えられない。
クモマと言えば我らの敵ラフメーカーの者である。それなのにそいつのために身内から精気を盗ったなんていえない。
そんなこと言ってしまえば、殺される。自分と、今クモマの心臓を持っている者が殺される。クモマも殺されかねない。
意地でも言うものかと思っていたのに、相手が悪かった。
『R』は相手の心を読むのが得意。だから、悟られてしまう。
口を縛る『B』の心を読み、『R』は一気に目を尖らせた。
「…お前は、馬鹿でアールか」
「………」
「そんなくだらないことでワガハイたちから精気を盗ったでアールか」
「……」
「大罪でアールな」
冷静に叱る『R』に協力の手を出すのは、『V』だった。
闇を操れる闇魔術師らは何に関しても極めている。だから相手の心を読むことも出来る。『R』ほどではないが。
ある程度のことを悟り、『V』が不敵に笑う。
「お前、バッカじゃねーの?心臓を作るために精気を盗るなんて、馬鹿しかいいようがねーヨ」
「…にしても、どーして心臓を作ろうとしたのかわかんないよ」
『N』も口先を尖らせて皮肉そうに喚く。
詳しいところまでは悟れなかった『N』のために『R』が解説した。
「Bが心臓を作っていた理由はずばり、ラフメーカーのクモマのためでアール」
「ラフメーカーのクモマ?」
「はあ?お前知らねーの?今まで何度も会議やってたのにお前の脳には焼きつかれなかったのかヨ?」
「へっへーんだ。おいらの脳内はいつでもスカートめくりパレードだ!」
「自慢することではないでアール」
『N』以外の闇には、ラフメーカーのことが伝わった。
そのため全員が怒りの篭った表情を象る。
その中で最も反応したのは『U』であった。
「Bよ。そちは"お主"とはどんな関係なんだぞよ?」
「……」
「それと何故お主の心臓が世に存在していないことを知っておる?」
キモイ顔が近づいてくるが『B』は答えようとしなかった。
そのためクスクスと笑う声を間近で聞く運命に立たされた。
「消えたお主の心臓を再び世に健在させてどうするのだぞよ?お主は我の人形になるというのに」
「何言ってるのー?ダーリンはミッキーのものなのらー」
「うっせぇんだよ、てめえらは口出しすんなこの野郎」
クモマの取り合いをする不快な二人を言葉で止めた『Q』は、キモイのを蹴散らせて『B』の前に立つ。
そして、顔を掴んだ。
「てめえは本当に糞だ。何だぁ?ラフメーカーのために力を注いでたってわけか?そのために俺らから精気を盗ったってことか?」
「………」
「答えろよこの野郎!」
頬を掴まれているため、答えられるはずが無い。
それなのに『Q』は『B』を問い詰める。
むき出しになるバラ色の唇は微かに揺れることなく。
間抜けな顔になってしまった『B』であるが、それでも目には力が篭っていた。
てめえなんかに誰が答えるか、と目が訴えている。
そのことに気づいて『Q』が『B』の頬骨を圧し折ろうとした刹那、この場に今まで一度も流れなかった声がやっと流れた。
それは高くもなく低くもない、芯のある凛々しい声。
「世の中、闇に染まるはずないだろ?」
いつもと違って憎しみが篭っているその声の主、『L』は地面につけていた顔を上げて正面を向く。
真っ先に『L』と目が合ったのは、『U』であった。
「クスクス。哀れなことを言う奴だぞよ。世界は現在闇に支配されつつあるというのに」
「はっはっは。支配されてるか?お前はどこを見てたんだ?この城に篭りっぱなしだから世の中を知らないんだろ?」
笑い声にも篭る思い。『L』は自分の邪魔をしようとする闇たちを許せなかった。
だから怒りが込みあがるのだ。
普段と違う『L』の姿に、『Q』も驚いて身を引く。『B』の頬を掴んでいた手も宙を泳ぐ。
顔が自由になったところで『B』はすぐに『L』の顔を見るために横に捻った。
『L』は常に笑っている。世界について語る。
「今の世の中、確かに闇が侵略しているところもある。だけど一部一部、小さなところから光が湧き出ているんだ。Pが作った"ハナ"によって狂った村々も何れか光に包まれる。何故そんな現象が起こってるか分かるだろ?」
「…ラフメーカーの仕業でアールな」
「ご名答。ラフメーカーが光を作っているから闇が消えていってるんだ」
「だからワガハイたちはその光を消そうとしてるでアール」
「何だ?Rってば"オレ"のこと忘れたのか?」
ここで『L』は笑みを不敵さに持って、言った。
「オレは光を常に追いかけてるんだぞ」
そのことを言われ、『R』はおろかその場にいる全員が言葉を失った。
『L』の罪の重さを思い知らされたから。
確かに『L』はエキセンの邪魔ばかりしている。ラフメーカーを守るために魔術を繰り出している。
『L』は続けた。
「オレは闇魔術を使えない。使うのに怯えているのも確かだけど、オレはあのことを知っているから。闇より光の方が強いことを知ってるから」
「…」
「だから弱い闇なんかより強い光を求め続けた」
「ふざけたことを言う奴でアールな」
「ふざけてる?一体何がふざけてるんだ?」
「光なんかより闇のほうが強いでアール」
「確かに闇の強さはダンちゃんの件で思い知らされた。光はあっという間に闇になってしまった。それをこの目で見た。だけど光は必ず燈るんだ。どんな場所でも必ずな」
だから、タンポポは悪魔になっても光を尾に燈している。闇の中でも光は燈る。
「オレは光が好きなんだ。好きだからラフメーカーの力になりたいんだ。キモUによって心臓を失ってしまった可哀想な少年のために心臓を作ろうと思った」
「何だよー。やっぱりL兄ちゃんも心臓作りに手を貸してたんじゃん!」
実のところ、『L』の心を読めるものはそう多くは無かった。
『L』は心に鍵をつけれるので、重要な思いには錠をかけているのである。
だから『L』の心を読むことは難なのである。
しかし『R』が何とか『L』の心の中を悟る。
「なるほど、Lが作った心臓は空っぽで、それを満たすためにBが精気を吹き込んだのでアールか」
「やっぱりLも関係してたんじゃねえかこの野郎」
「もういいじゃないか、心臓の話なんて」
「「よくない」」
心臓作りの話を流そうと『L』が試みるが、全員が認めなかった。
「敵に手を貸す奴なんて信用できねえヨ。やっぱりここはLもBも殺した方がいいんじゃない?」
「何を言うでアール。Lを侮ってはならんでアール。奴はあの頭の中にどのぐらいの秘策を詰めているか分からないでアール」
「だからって見放せっていいてーのかヨ?ぼくちゃんはLのこと大嫌いだからここで始末したいんだヨ」
「はっはっは。オレを始末したいと言うのか?諦めた方がいいぞ」
「んだヨっ?!」
「これこれ、喧嘩はやめるでアール」
「今のこの状況で喧嘩はやめろって言う方が可笑しいんだヨ!お前バッカじゃねーの?」
一つネジが緩まれば、溜まっていた怒りがすぐに漏れるであろう。
そんな中で本が閉じる音が響く。
『C』の分厚い本から本特有の匂いが流れる。
今まで黙って事を聞いていた『C』がようやく口を開いた。
「今、その心臓は誰が持っとるんじゃ?」
『C』の質問に『L』は答えなかった。無論『B』も答えない。
なので『C』はククッと笑う。
「どちらも頑固じゃな。まさかその部分だけ厳重に鍵を閉めとるとは」
「「……」」
「だけど、ワシの手に掛かればそんなもん、一発で壊せる」
四天王の中でも一番上に立っている『C』、奴なら二人の心を読むことが出来る。
心臓を持っているのが『O』だと気づかれたら危険だ。全員がそこに駆け込むに違いないから。
友人の身の危険を避けるために、『L』が違うことを言って話の進路を切り替えた。
「ラフメーカーがどうやって"ハナ"を消してるか知ってるか?」
全員が知らないため見事話はそちらに流れた。
上手い具合に話を逸らした『L』に目を向ける『B』、しかし彼女も他の者と同じ顔をしていた。
"ハナ"は誰にも消すことが出来ないのに、ラフメーカーは消すことが出来る。
「"笑い"が"ハナ"を消しているそうでアールが……」
しかし、その笑いがどのような形をしていて、実際にどうやって消しているのか分からない。
そのため『R』もすぐに口を噤んだ。
『R』が答えられないのならば、一体誰が答えることが出来るのだ?
エキセンの情報塔の『R』が知らないなら全員が知らない。
いや、知っている者がいた。
それは下から聞こえてくる。援助の声だ。
『"笑い"は光の形をしてるゾナー』
『R』の影が蠢いた刹那、影は立体的に縦に伸びた。
黄色い目玉がくりくり動いて、生きた影は闇たちを見ている。
そして他の闇たちも唖然と『Z』を見ていた。
『あ、申し遅れたゾナー。ゾナーは今までずっと情報収集に勤めていたZゾナー』
「ぜ、Zっていたのかヨ?!」
『Z』の存在は四天王と『R』しか知らない。なので全員が驚きを隠せない顔になっていた。
ぺこっとお辞儀をして挨拶をしたところで、早速話を戻す。
『ゾナーが集めた情報によるとラフメーカーは"笑い"を光にする力を持ってるゾナー。独特な"笑い"が化学反応を起こして光を作るゾナー』
「光ってどんなでアールか?」
他の者が驚きを隠しきれない中で冷静さを保っていたのは、『Z』の存在を知っていた『R』であった。
質問に『Z』が、影の中からノート型のパソコンを取り出して情報を読み込む。
カタカタとキーボードを打ってプログラムを組んだところで、『Z』が質問に答えた。
『ひょうたんが作る雫がラフメーカーの光の魂ゾナー』
「ひょうたんが作る雫、でアールか?」
聞きなれない言葉に『R』が眉を寄せる。そして『L』は口元をゆがめる。
『雫をかけられることによってPが作った"ハナ"は光を放って封印されるゾナー。こうやって"ハナ"は消されてたゾナー』
『Z』も今調べたことにより知った情報のようで驚愕の表情で言っていた。
そしてそのままパソコンにプログラムを打っていく。
キーボードの音が鳴り響く中、闇の者たちは難しい表情を作り、『L』だけが笑う。
「はっはっは。驚いてるようだな」
「「……」」
「まさかそんな過程で消されてたなんて知らなかったもんな」
「何でアール、お前はまさか知ってたでアールか?」
素朴な質問が飛び交ったので『L』は笑って頷いた。
「無論、だってそうさせたのも全てオレだもん」
今ここで確実に闇が静まった。
『L』の発言に心の感情が飛びぬけたのだ。
もう笑えない。喜ぶ感情が抜けて、闇の者は無表情になる。
『L』は真実を語った。
それはそれは、昔のこと。
「Pが人々の幸せな心を吸い取る種を作っていることを知ったオレは、すぐに対策しようと考えた。しかしどうやって対抗すればいいのか分からず、戸惑うばかり。だけどあることに気づいたんだ。闇は光を苦手とするからそれで対処すればいい、と。それでいろいろ捻って考えて対処法を考えた」
そして
「人間の"幸せ"を表す感情が"笑い"だと気づいた。何れ世界に笑いが消えてしまう、そう予測できたから笑いを消さないように笑いで対抗しようと思った」
それで、笑いを作る団体を思いついたわけだ。
「笑いには種類がある。いろんな形で人は笑うことが出来るんだ。オレはその笑いに敏感に反応する道具を考えた」
独特な笑いが集まることにより、"ハナ"を消せる道具を作れるように
研究に研究を重ね、幾多の月日をかけて作り上げた。
それが、ひょうたん。
独特な笑いが集まることで"笑いの雫"を生み出すひょうたん。
「ひょうたんを作っても実践したことが無いから雫が出来るかもわからない。だけれど戸惑ってるうちに"ハナ"が世界に上陸してしまうかもしれない。だから急いでオレは作ったひょうたんをある旅人に渡したんだ」
ひょうたんを小さな旅人に託した。
人々の笑いを求め続けていた黒猫の力を頼ることにした。
笑いを見極める能力を持っているトーフに、ひょうたんを渡したのだ。
「"ハナ"に対抗できるほどの"笑い"が濃い人物らを集めて世界を救ってほしい、と伝えてオレは旅人にひょうたんを渡した。オレは旅人を信じて世界を任せた」
あ、あんた『L』やんか。久々やんか。
久しぶりだなトーフ。元気だったか?
この通り元気やねん。あんたのおかげでワイは呪いに苦しまないで生きとるんやからな。
そっか。それはよかった。
…ちゅーか、あんたの懐の中に入ってるもんって何や?
え?懐の中に何かあるって気づいてたのか?
あんたの懐から"笑い"を感じたんや。何か不思議な笑いを感じたから、気になったんや。
……お前、"笑い"に敏感なのか?
敏感っちゅうか、"笑い"を浴びることが夢やったから。
自然と"笑い"には気づくようになったんや。
…そうか。ならいい機会だ。
何や?
お前のその能力に頼ってみようかな。
は?
お前の"笑いを見極める能力"で、
ひょうたんと合う"笑い"の濃い人物ら5人、出来れば急いで集めてほしいんだ。
…集めてどないする?
世界を救ってほしい。
………?
世界は何れ、"笑い"を吸い取る"ハナ"によって侵略されてしまう。
だからそれを消す"笑い"を持った人物らを集めてほしいんだ。分かるか?
…分かるで。
だから頼む。
…ワイはあんたに助けてもらってばかりやもんな。
ええで。あんたの話を聞き入れるで。
恩に着るよ。
「お前が、全ての元凶だったでアールか…!」
『P』が世界の幸せを奪おうと"ハナ"を作っているところを『L』は知っていた。
だから世界を救うために前々から頭を捻って考えて、"ハナ"に対抗するものを作った。
それがラフメーカーが作る"笑い"に敏感に反応するひょうたん。それが"ハナ"を消す力を持った"笑いの雫"、いわば光の塊を作る。
『L』は始めから『P』の邪魔をしようとしていたのだ。
エキセンの闇を消そうとしていたのだ。
真実を知り、闇が憤りを噴きだした。
全員がそれぞれ魔術を繰り出す体勢を作る。
対して『L』は闇の縄に縛られて動けない。けれども顔は不敵に笑っている。
「言っただろ?オレは光の味方なんだ」
「この野郎!」
「クスクス、面白いことしてくれるな」
「イナゴ、あんた……っ!」
隣の『B』も唖然とするほどに、この真実には深みがある。
本気になると目が赤くなる闇たち。赤い瞳に囲まれても『L』は自分の道を貫き通した。
目線を逸らして、窓から見える黒い空を見る。
と、ここでずっとキーボードを打っていた『Z』が突然騒ぎ始めた。
『大変ゾナー!予期せぬ出来事が起こったゾナー!』
『R』の影の中に沈んで逃げようとする『Z』を『R』が止める。
「ゾナー、どうしたでアールか?」
『た、大変ゾナー!』
『Z』は手元のパソコン画面に目を向けるたびに怯えた表情を取る。
影のため真っ黒な『Z』の体にはパソコン画面が反射して映っている。
そこに映る文字は、赤く、危険度を知らせるように点滅している。
『Z』が叫んだ。
『光が近づいているゾナー!!』
続いて『L』が呟く。
「存在を消してこっちに近づいてくるとは、さすが死神だな」
そして
「光 あれ」
エキセン城に光が落ちた。
天から降ってきた光はまるで雷のよう。だけれど音も無く、ただ突然場を照らしただけだ。
強い光を全身に浴び、闇に包まれていた城はあっという間に白くなる。
同時に鳴り響く崩壊音。
それは入り口から聞こえてきた。
光を浴びたエキセン城の入り口を破壊して侵入してきた者たちがいるのだ。
「ラフメーカーか!!」
ラフメーカーが侵入して来たことに気づき、その場にいた闇の者は皆、場に溶け込んだ。
そして、囚われの身だった『L』と『B』も紛れて、闇から逃げる。
闇と光、ここでぶつかることにより
世界が大きく揺れ傾く。
それは喜びか滅びか。
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全ての元凶は『L』でした。
前々から怪しい行動をとっていたけれど、やはり彼が世界のために真っ先に立っていたのです。
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