障害物も何もない、平らな道。


3.平らな道


のんびりと豚が動く。
それによって、後ろの車も動く。

車の中から賑やかな声が漏れる。


クモマ 「へ〜。チョコは動物と会話することができるんだね」

チョコ 「うん。そうなの。…やっぱり私って変かな?」

クモマ 「ううん。そんなことないよ。むしろ羨ましいな」

チョコ 「ホント?ありがとー」

サコツ 「俺はブチョウが鳥人ってことにビックリだぜ」

ソング 「しかも白ハトだなんてな」

トーフ 「ワイも最初出会ったときはホンマビックリしたわ。いきなりブチョウが小爆発したと思ったら白ハトになって登場してくるやもん」

ブチョウ「白ハト可愛いでしょう」

クモマ 「うん。可愛い可愛い」

サコツ 「でもよ。何かブチョウの声は白ハトのイメージじゃねえよな」

ソング 「全くだな。白ハトならもっと綺麗な声出してみろ」

ブチョウ「何言ってんのよ。私の声は美しいじゃない。みゃみゃみゃみゃみゃみゃ」

クモマ 「言葉おかしいよ!!」

ソング 「もっと普通に声出せよ!」

チョコ 「さすが姉御!素敵だなぁ〜」

ブチョウ「照れるわね。チョコ」

クモマ 「あれ?チョコは普通に呼ぶんだね?」

チョコ 「へ?どういう意味?」

クモマ 「だって、ブチョウは皆のこと酷い呼び名で呼ぶんだよ」

チョコ 「え?どんな呼び名?」

クモマ 「僕は、たぬ〜っていわれたよ」

サコツ 「俺は、チョンマゲだったぜ」

トーフ 「ワイは、タマやったわ」

ソング 「……凡」

チョコ 「きゃはははは。ウケる〜!いいな〜面白いねー。特に凡が!」

ソング 「何でだよ!」

チョコ 「似合いすぎてるもん。凡って、ホント凡人だもんねーソング」

ソング 「………っ!!!」

ブチョウ「喜んでもらえてよかったわ。やり甲斐があるわ」

ソング 「こいつ…」

クモマ 「それで、話は変わるんだけど、僕達は今どこへ向かっているの?」

トーフ 「そうやなー。エリザベスがのんびりとどっかの村へ向かっておるのは確実やな」

チョコ 「え?何で分かるの?」

トーフ 「さっきから徐々に"笑い"が少なくなっておるんや。これは近くに"ハナ"があるという何よりの証拠や。"ハナ"は村にしか生えておらんからな。せやから近くに"ハナ"を持っておる村があるっということや」

ブチョウ「な〜るへ〜そね〜」

サコツ 「ってことは俺らは今確実にその"ハナ"にやられた村に向かって進んでいるってことだな」

トーフ 「そういうことやねん。でも、今回の村はあんま"ハナ"にやられてなさそうやから、まだ楽かもしれんな」

クモマ 「"ハナ"に酷くやられている村ってどんな感じなの?」

トーフ 「何か人々が可笑しいわな。変な症状が出ておるんや。例えば男が女になってしもうたりな」

チョコ 「そんな感じになっちゃうんだ…」

サコツ 「変になるのか」

トーフ 「ま、元々風習が可笑しいっていう村もあるんやけどな」

クモマ 「へえ」

トーフ 「他には、人が"ハナ"に侵されて我を忘れてしまうことやな。それはもっと酷く侵害されると…」

皆   「…」

トーフ 「魔物になるんや」

皆   「…?!」

トーフ 「せやからはよ"ハナ"を消さんとあかんのや」

ソング 「なるほどな」

クモマ 「あれ、村じゃない?」


のぞき窓から目を通して、クモマが外の様子を見る。
外の世界には、村らしき門が建っていた。

それを見て、興奮の声を上げるメンバー。


サコツ 「村だ村だぜ―!」

ソング 「他所の村に行くのは始めてだな」

チョコ 「私は結構あちこちの村に越しているからなぁー」

クモマ 「あ、チョコはエミの村出身じゃないんだ?」

サコツ 「俺もだぜ」

ブチョウ「私も」

トーフ 「ワイも驚いたわ。皆意外に村が別々なんやもん」

ブチョウ「あの村は何て村よ?上村?」

ソング 「誰だよ!上村って!」

トーフ 「実際中に入って見らんとわからへんわ。ワイはただ笑いがあるかを見極めることができるだけやしな」

ブチョウ「使えないわねタマ」

トーフ (こいつ…)

クモマ 「さあ、村の門に近づいてきたよ」

サコツ 「わくわくするな」

ブチョウ「腸が煮えくり返りそうだわ」

ソング 「使い方間違ってるぞ!?」

チョコ 「早速村で"ハナ"を消すの?」

トーフ 「いや、まずはこれからの旅に必要なモノを集めようで」

ソング 「あぁ、車のランプとかな」

トーフ 「そや。あとワイの技を皆に伝授したるわ」

クモマ 「技?何それ」

トーフ 「まー村についてからのお楽しみや」

チョコ 「気になるね〜」




そして、豚とそれに引かれた車は、
のんびりと村の門を潜り抜けた。










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「〜な道」は脚本形式で書く場合があります。(今回のように
まぁ、「〜な道」は次の話の繋ぎ役だし、…ね?(何

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