さっきから車の揺れが激しいぞ…


13.凸凹な道


ウーマンの村から無事逃れることができたメンバーは、お馴染みの車に乗って旅を続けていた。
豚のエリザベスと田吾作が今日も頑張って引いてくれている。


サコツ 「楽しかったわね〜ん。オカマになるの〜ん」

ソング 「まだお前その口調なのか?!早く戻れ!」

チョコ 「それにしても大変だったね、クモマ〜」

ブチョウ「ケツを触られたってあんたもなかなかね」

クモマ 「もうその話題は持ってこないでよ…」

チョコ 「あははははは!ゴメンゴメン〜!だって…ね〜?」

クモマ 「うぅ…」

トーフ 「まあ変態親父を程ほどに懲らしめたんやからええやないか」

サコツ 「そうだな!俺もおっぱいミサイル発射したしな」

ソング 「お前の胸は一体どうなってたんだよ?!!」

ブチョウ「ブルーベリーな気持ね」

ソング 「どんな気持ちだ?!」

トーフ 「…ところで、いい加減腹が減ったわぁ」


その言葉がきっかけで話題はご飯に切り替わった。


クモマ 「もうお腹すいたの?!あんなに食べたじゃないか!」

トーフ 「何言うてるんや!あんだけで腹がいっぱいになるはずないやろ!」

クモマ 「皿が1メートルぐらい積み重なっていたじゃん!」

トーフ 「もぉ…腹減ったわぁ…」

チョコ 「一体トーフちゃんのお腹ってどうなってるのよ〜」

サコツ 「ブラックホールだな!すげーなー」

ソング 「よくそんなに食えるなこいつも…」


そんな風に会話が続いている間、トーフは腹を抑え、身を縮めてしまった。


チョコ 「やばい!トーフちゃんがまた餓死寸前に?!」

サコツ 「頑張れトーフ!元気な子を産むんだぞ!」

ソング 「何言ってんだてめえは!」

ブチョウ「名前は鼻水太郎にしなさいよ」

ソング 「何でてめえが決めてるんだ!もっとかわいい名前に…って違ぇだろが!」

クモマ 「今一瞬だけノったね…」

トーフ 「…そや…何か食べ物…食わせてえな」

クモマ 「そ、そうだね!食べ物を…」


と、ここでクモマと他多数も思い出した。


クモマ 「そういえば、食べ物尽きてたんだった…」

チョコ 「あいた〜!そうだったね!食べ物をゲットしようってことでさっきの女性の村に行ったんだっけ」

サコツ 「しまったぜ!あそこで生肉を買っておけばよかったぜ!」

ソング 「あのまま突っ走ったから何も買わずに村から出たんだったな」

ブチョウ「ま、私は既に一つ盗んできてるんだけど」


そういうとブチョウはマントを払う。
マントの下からは謎の物体が…。
無言で眺めるメンバー。


ブチョウ「どうよ?」

チョコ 「いや、どうよって言われても」

クモマ 「これ何だい?」

ブチョウ「"女神の銅像"よ」

みんな 「「女神の銅像?」」






































みんな 「「まったく女神じゃねええ!!!」」

ブチョウ「何いってるのよ。この女神の顔見てみなさい!とっても幸せな気分に慣れるでしょ?」

ソング 「ならねえよ!見ていて苦しくなるだけだ!」

サコツ 「…でも…これ確かにオカマ時の俺みたいな感じがするな」

ソング 「認めていいのか?認めていいのか?おい!」

クモマ 「盗むんだったらもうちょっと役に立ちそうなもの盗んできてよ」

ブチョウ「役に立つじゃないの」

クモマ 「何に?!」

ブチョウ「サンドイッチを食べるときに」

ソング 「そうなのか?!っていらねえだろそれ!ってかどうやって使うんだよ!」

ブチョウ「これの頭を捲ればいいのよ」

チョコ 「捲れるんだそれ?!」

サコツ 「あ、ホントだぜ!女神の頭が申し訳なさそうに捲れたぜ」

クモマ 「本当だ!申し訳なさそうに捲れてる!女神の頭が!!」

トーフ 「…………は、腹が…腹が…」

サコツ 「しまったぜ!トーフのことすっかり忘れてたぜ!」

チョコ 「トーフちゃん!しっかりして!!」

クモマ 「と、とにかく早くどこかの村に行かなくちゃいけないね」

サコツ 「急ごうぜ!愛しのエリザベス〜がんばって村に行くんだ!」

クモマ 「…それにしてもなんかさっきから車の揺れが激しいけど…」

サコツ 「ハッ!!!……まさか『ウミガメ号』にもうガタがついてしまったのか?!」

ソング 「待て。今何ていったか?」

ブチョウ「ゴボ、ゴボゴボゴボ、ゴボ」

ソング 「違っただろ?!ってか"女神の銅像"の申し訳なさそうに捲れた頭から変なのが溢れ出てきてるぞ?!」

ブチョウ「神秘の力ね」

ソング 「こんなところで神秘の力使っていいのか?!」

チョコ 「ねえサコツ。ウミガメ号ってこの車の名前?」

サコツ 「そうだぜ!この車の名前は『ウミガメ号』!な、かっこいいだろ!」

クモマ 「そうだね。かっこいいね」

ソング 「それ本気でいっているのか?!」

トーフ 「は、腹が………っ」

クモマ 「しまった!トーフのことまた忘れていたよ!早く村へ行かなくっちゃ!」

チョコ 「待って!何かエリザベスが言ってる」


そしてチョコは全員の口を閉ざすと、エリザベスの声を耳を澄まして聞く。
聞き終わるとチョコは顔色を変えてこちらを振り向いて、言った。


チョコ 「道が凸凹で非常に歩きにくいためうまく前に進めないって」

みんな 「「……ダメじゃん」」

サコツ 「頑張ってくれよエリザベス!とにかく前へ進んでくれ!」

クモマ 「そうだよ!トーフがまたお腹空かしているんだよ」

チョコ 「村に行ってそれから食料をゲットしないと生活が苦しいの。だからエリザベス頑張って!」

ソング 「…ってか、この猫の自業自得だろ…」

トーフ 「猫?あんた猫って言うたな!ワイはトラやねん!」

クモマ 「あ、元気出た?」

トーフ 「出るはずないやろがぁ…は、はよ食料を盗まんとあかんなぁ…」

サコツ 「だけどよ〜道が凸凹していてうまく前へ進めねぇんだってよ!」

チョコ 「ホントホント〜!困ったよねぇ!って、キャアア?!」


突然、車(命名:ウミガメ号)が大きく揺れた。
伴ってバランスを崩すメンバー。
中には頭をぶつけ合う人たちも。


クモマ 「あいた!ごめんねトーフ!痛かっただろう?」

トーフ 「大丈夫や。あんたこそ大丈夫か?」

クモマ 「僕も大丈夫だよ」

チョコ 「も〜!ただでさえ狭い車内でこれは反則よ!」

ソング 「くそ、やりやがったな……って、うお?!」


ソングの崩れた場所には、あの"女神の銅像"が。


ソング 「こんなまじまじと目の前で見てしまうとは…」

ブチョウ「ついてるわね。凡」

ソング 「ついてねえよ!ったく!!」

サコツ 「おいおい。大丈夫かよ皆…ってうわ〜お!!」

チョコ 「ちょっとも〜!勢い良く倒れてこないでよサコツ!」

サコツ 「仕方ないぜ〜?ウミガメ号が大きく揺れてるんだからよ〜」

クモマ 「こ、こんな感じのまま村に行くのかい?」

チョコ 「それしか方法はないでしょ〜?ま、もう少しで村に着くってエリザベスも言っていたし、少しの間我慢してよ〜」

トーフ 「あ、村が近いんか?…あぁ、確かにさっきから"笑い"を感じへんかもなぁ〜」

ブチョウ「よかったじゃないの。村が近いならこのまま突っ走ろうじゃないの」

ソング 「待ってくれ!"女神の銅像"が俺の上に乗っかったままなんだが」

ブチョウ「いいじゃない。お似合いよお似合い。このまま結婚しちゃいなさい」

ソング 「待て!俺には……」

チョコ 「もうすぐ村だよ〜。あと少しだから何とか揺れに耐えて!」

クモマ 「うぇ…いい加減気持ち悪くなったかも…」

サコツ 「やべーぜ!クモマがゲーだぜ!」

クモマ 「だ、大丈夫だよ…」

サコツ 「限界のときは飲み込めよ」

クモマ 「そんな無茶な!」

サコツ 「それか、トーフがそれを食うか」

トーフ 「待ってくれや!さすがにそれはワイも嫌やねん!…あぁ…イメージしたら食欲がなくなったわ…」

チョコ 「ヤッター!着いた〜!!!」


メンバーが揺れとともに車内でひっくり返っている中、チョコの甲高い声が響いた。
無事に村に車を入れると、車の揺れもようやく治まった。
おかげでクモマの気分もよくなったようだ。

さて、ここで、食料を盗むとしよう。










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